リカバリーウェアは
ほとんどのブランドで乾燥機の使用がNGです。
回転しながら熱風を当てるタイプの乾燥機は避けてほしい、というのが各社に共通した案内になっています。
ただし、ひとつだけ例外があります。
TENTIALのテックスウェットだけは、公式サイトで80℃までの乾燥機に対応
と書かれています。
そしてもうひとつ、ここが取り違えられやすいところです。
乾燥機がダメなのは「疲労回復の効果が消えるから」ではなく、「生地のほうが傷むから」です。
ブランドごとの可否も、浴室乾燥やコインランドリーの扱いも、うっかりかけてしまったときにできることも、順番に見ていきます。
リカバリーウェアは乾燥機が使えるのか
主要ブランドの公式サイトを一つずつ確認したところ
リカバリーウェアとして売られているものは、ほぼすべて乾燥機NGでした。
各社がどう書いているかを、そのまま並べたのが下の表です。
| ブランド | 乾燥機 | 公式の書きぶり |
|---|---|---|
| BAKUNE (TENTIAL) | ❌ | 生地の傷みにつながる恐れがあり 乾燥機の使用は推奨していない 公式 |
| ベネクス (VENEX) | ❌ | 乾燥機は避けて。 縮みや型崩れ、ポリウレタン繊維の 伸縮性が落ちる原因になる 公式 |
| ReD (MTG) | ❌ | タンブラー乾燥 ドライクリーニングは避けて 公式/添付文書 |
| リカバリーケアプラス (AOKI) | ❌ | タンブラー乾燥はお避けください 公式 |
| Nミラク (ニトリ) | 記載なし | 洗濯機OK(ネット使用)とだけ。 乾燥の可否は商品ページに書かれていない 公式 |
| テックスウェット (TENTIAL) | ⭕️ | 乾燥機の使用可能。 80℃の乾燥機まで対応が可能 公式 |
手持ちのウェアがこの表にないブランドでも
乾燥機で乾かせると考えないほうが安全です。
リカバリーウェアは素材の作りが似ているので、乾燥機NGはほぼ業界の共通ルールになっています。
※商品や生地の種類によって洗濯表示は変わります。買ったあとは、手元のタグと各ブランドの公式サイトをあわせて確認してみてください。
ブランドごとに書きぶりが少しずつ違う
表をよく見ると、同じ「乾燥機はダメ」でも言い方がそろっていません。
ReDとAOKIは「タンブラー乾燥は避けてください」と、乾燥の方式を名指しして書いています。
ベネクスは「乾燥機は避けてください」と書いたうえで、縮み・型崩れ・伸縮性の低下という起きることまで並べています。
いちばんやわらかいのがTENTIALで、BAKUNEについては「乾燥機の使用は推奨しておりません」という書き方です。
とはいえBAKUNEの洗濯表示タグにはタンブル乾燥禁止のマークが付いているので、実質は禁止と同じ扱いになります。
迷ったときは、ページの文言よりもタグのマークのほうが強い、と覚えておけば大丈夫です。
ニトリのNミラクだけは少し事情が違って、商品ページには洗濯機OK(ネット使用)としか書かれていません。
Nミラクは高純度セラミックスを繊維に定着させる加工で作られていて、繊維そのものにセラミックを練り込む他社とは作りが違います。
公式に乾燥の記載がない以上、タグと添付文書を見るのが唯一の正解で、記載がないことを「使える」と読み替えるのは危ないです。
乾燥機が使えるリカバリーウェアはあるのか
寝るとき用のリカバリーウェアで乾燥機OKのものは、調べたかぎり見つかりませんでした。
ただ、TENTIALのMIGARUシリーズにあるテックスウェットだけは、公式の商品ページに乾燥機の使用可能です。
80℃の乾燥機まで対応が可能ですとはっきり書かれています。
これはBAKUNEと同じ特殊繊維SELFLAME®を使った一般医療機器で、着るだけで血行の促進をサポートする点も共通です。
ただし、着るシーンの想定が別物です。
- BAKUNEなどのリカバリーウェア
寝るときのパジャマ、家でのリラックス着として作られている - テックスウェット
仕事中や移動中など、外で着ることを想定したスウェット
つまり「乾燥機が使えるパジャマがほしい」という願いには、まだ届いていないのが実情です。
なお、MIGARUシリーズなら全部が乾燥機OKというわけではないので、商品ページごとの記載を見るのが確実です。
どこまでが乾燥機に入るのか
ここがいちばんつまずきやすいところです。
タグに書かれているタンブル乾燥(タンブラー乾燥)とは
槽を回しながら熱風を当てて乾かす方式のことを指します。
言い換えると、禁止されているのは「回転する乾燥」であって、風で乾かすこと全部ではありません。
回転と熱の2つで整理すると、こう分かれます。
| 乾かし方 | 回転 | 熱 | 判定 |
|---|---|---|---|
| コインランドリーの 乾燥機 | あり | 高い | NG |
| ドラム式洗濯乾燥機の 乾燥コース | あり | 高い | NG |
| 衣類乾燥機 (タンブラー式) | あり | 高い | NG |
| ドラム式の 風乾燥・送風乾燥 | あり | ほぼなし | 避けたほうが 無難 |
| 浴室乾燥機(温風) | なし | 中くらい | 使える |
| 浴室乾燥機の 送風モード | なし | なし | 使える |
| サーキュレーター 除湿機 | なし | なし | 使える |
| クリーニング店の 静止乾燥 | なし | 中くらい | 使える |
回転して熱風を当てるものはまとめてNG
表の上3つは、名前が違うだけで中身は同じ仲間です。
とくに見落とされやすいのがドラム式洗濯機の乾燥コースで、これもタンブル乾燥にあたります。
洗濯から乾燥まで一気に回すのが習慣になっていると、うっかりそのまま押してしまいがちです。
ドラム式で洗うこと自体は問題ないので
洗いと脱水までで止めて、終わったらすぐ取り出すのが正解になります。
コインランドリーも同じで、洗うのはよくても乾燥機はアウトです。
コインランドリーの乾燥機は家庭用より温度が高いことが多いので、なおさら向きません。
迷いやすいのがドラム式の風乾燥・送風乾燥で、これは温風ではないので熱の心配はほぼありません。
ただ、生地がドラムに当たりながら回ることに変わりはないので、長く着たいなら控えたほうが無難です。
浴室乾燥は使えるのか
浴室乾燥は使えます。
洗濯表示のタンブル乾燥禁止は回転式の乾燥だけを指すルールなので、干したまま乾かす浴室乾燥はそもそも対象外です。
衣類が動かないぶん、こすれによる毛玉や毛羽立ちも起きにくくなります。
とはいえ、各ブランドがそろって陰干しをすすめているのは、熱そのものが生地にやさしくないからです。
浴室乾燥を使うなら
温風の強モードではなく、弱めの温度か送風モードを選ぶと安心して使えます。
クリーニング店にある静止乾燥も、吊るしたまま温風を当てる方式なので同じ考え方であてはまります。
洗濯表示タグのどこを見ればいいのか
手持ちのウェアが乾燥機にかけられるかは、タグの四角の中に丸のマークひとつで判断できます。
これは消費者庁が示す洗濯表示で、タンブル乾燥の記号として決められているものです。
- 丸の中に点が2つ
80℃までの高温の乾燥機が使える - 丸の中に点が1つ
60℃までの低温の乾燥機なら使える - マークに×が重なっている
乾燥機は使えない(リカバリーウェアはほぼこれ)
古い服だとマークそのものがない場合もあり、そのときはタグの下の文章にタンブラー乾燥はお避けくださいと書かれていないかを見ます。
ちなみに×のマークがある服は、同じタグに日陰のつり干しがよいという記号も並んでいることが多いです。

なぜ乾燥機を避けるように書かれているのか
理由は大きく3つあり、そのどれもが生地の話です。
- 高い熱で生地が縮む
- 回転でこすれて毛玉や毛羽立ちが出る
- 伸び縮みする素材の弾力が落ちる
ここに「効果が消える」は入っていません。
落ちるのは効果ではなく生地のほう
ネットには「熱で繊維が変わって血行促進の効果が落ちる」という説明がよく出てきます。
ただ、メーカーの公式サイトを見ると、どこもそんなことは書いていません。
TENTIALが挙げている理由は生地の傷みにつながる恐れだけです。
ベネクスも縮みや型崩れ、ポリウレタン繊維の伸縮性低下を理由として並べています。
それどころか両社とも、洗濯を繰り返しても機能は低下しないとはっきり書いています。
理由は作り方にあります。
リカバリーウェアの多くは、遠赤外線を返すセラミックや鉱石を繊維の中に練り込んでいます。
表面に塗ってあるのではなく中に入っているので、洗っても流れ出ないというわけです。
- BAKUNE
特殊繊維SELFLAME®にセラミックを練り込み - ベネクス
PHT繊維にナノプラチナなどの鉱物を1本1本練り込み - ReD
VITALTECH®に8つの天然鉱石のセラミック粉末を練り込み
つまり、一度乾燥機にかけたからといって
疲労回復のはたらきが消えてしまうわけではない、というのが公式の説明から読み取れることです。
ここを知っておくと、うっかり回してしまったときにむやみに落ち込まずに済みます。
熱と回転で起きる3つのこと
では、生地には具体的に何が起きるのでしょうか。
1つめは縮みで家庭用の乾燥機はだいたい60〜80℃の熱風を出します。
全体が縮むとサイズ感が変わり、ゆったりしていたはずのパジャマが窮屈になります。
BAKUNEのように寝返りしやすいようアームホールを広くとった作りのウェアだと、縮みがそのまま寝心地に響いてしまいます。
2つめはこすれで、回転する乾燥機は衣類をドラムに叩きつけながら乾かします。
リカバリーウェアはやわらかい生地が多く、もともと毛玉ができやすい素材です。
3つめが見落とされがちで、ポリウレタンなど伸び縮みする素材の弾力が落ちるという点です。
これはベネクスが公式に挙げている理由で、伸縮性が落ちると体へのフィット感も変わってきます。
もうひとつ現実的な話として、乾燥機を使ったことがメーカー保証の対象外につながる場合もあります。
たとえばベネクスには1着につき1回の無料修理サービスがありますが、対象はほつれや糸切れ、穴あきなどに限られ、生地の劣化が激しいものは受けられません。
乾燥機を使わずに乾かす方法
乾かし方の手順は次のとおりです。
①脱水が終わったらすぐ取り出す
濡れたまま置いておくと、色移りの原因になります。
ベネクスもReDも、濡れた状態での放置は避けてほしいと公式に書いています。
とくに濃い色のウェアは、他の洗濯物と分けて洗うと安心です。
②日陰につり干しする
各ブランドがそろってすすめているのが陰干しです。
日なたに干すと、紫外線で色があせたり生地が傷んだりします。
「早く乾かしたいから」
とベランダの日なたに出したくなりますが、ここはこらえどころです。
風通しのいい日陰にハンガーで吊るすのが基本になります。
③急ぐときはサーキュレーターと除湿機
明日また着たい、という日もあります。
そんなときは熱ではなく風と湿度で攻めると、生地を傷めずに時間を縮められます。
- サーキュレーター
涼しい風を下から当てる。熱を使わないので生地に負担がない - 除湿機
まわりの湿度を下げる。風と組み合わせるといちばん早い - 浴室乾燥の送風モード
回転しないので禁止の対象外。温風より送風のほうが生地にやさしい

④乾いたら横に引っ張って形を整える
やわらかい生地をハンガーで吊るすと、水を含んだ重みで縦にのびることがあります。
これはそのままにしておくとシルエットが崩れていきます。
乾いたあと、たたむ前に生地を横方向にやさしく引っ張るだけで、もとの形に戻せます。
ひと手間ですが、寝返りのしやすさを保つという意味では効いてきます。
うっかり乾燥機にかけてしまったとき
1回かけただけで着られなくなる、と決まったわけではありません。
公式が挙げている乾燥機のリスクは生地の傷みや縮みであって、繊維に練り込まれた機能が消えるという話ではないからです。
気づいた時点で、この順番で確かめてみてください。
- これ以上、熱を加えない
もう一度かけ直したり、アイロンで強く伸ばしたりしない - 形を整えて陰干しする
横に軽く引っ張ってシルエットを戻してから、日陰で乾かす - 4つの点を見る
サイズ感/生地のかたさ/ヨレ/毛玉の有無 - 気にならなければそのまま着る
目立つ毛玉だけ、毛玉取り器やハサミで取り除く

いちばん多い失敗は、洗ってくれた家族がふつうに乾燥まで回してしまうパターンです。乾燥機だけは使わないでほしい、と先に伝えておくと防げます。
ドラム式なら、乾燥コースを押す前にウェアを取り出す流れを家のルールにしてしまうのが確実です。
ここまでで触れきれなかった細かい疑問
乾燥とセットで気になりやすい、洗い方まわりの疑問をまとめました。
洗濯ネットは必ず使わないとダメですか
TENTIAL、ベネクス、ReD、AOKIのいずれも、公式でネットの使用をすすめています。
ネットに入れると他の洗濯物とのこすれが減り、毛玉や型崩れを抑えられます。
乾燥機を使わないぶん、ここは守っておいたほうが得です。
柔軟剤は使えますか
ベネクスは公式に、洗濯試験で問題ないことが確認できたとして柔軟剤の使用を認めています。
ただし、洗剤や柔軟剤の残りを防ぐため、すすぎは十分にするよう案内されています。
漂白剤はどのブランドも避けるよう書かれているので、こちらは使わないほうがいいです。
アイロンはかけてもいいですか
ReDの添付文書では、底面温度110℃を限度としてアイロンが使えるとされています。
ただしスチームアイロンと、ゴム部分やプリント部分へのアイロンは避けるよう書かれています。
商品によって条件が違うので、手元のタグを見てから判断してください。
毎日洗っても効果は落ちませんか
落ちません。
セラミックや鉱石は繊維の中に練り込まれているため、TENTIALもベネクスも、洗濯を繰り返しても機能は低下しないと公式に説明しています。
血行が促されて汗をかきやすくなるぶん、汚れが気になったら洗ってしまってかまいません。
手間はかかるけれど、それが一番長く着られる道
リカバリーウェアで避けるべきなのは
回転しながら熱風を当てるタイプの乾燥機です。
コインランドリーの乾燥機も、ドラム式の乾燥コースも、これにあてはまります。
反対に、浴室乾燥やサーキュレーターのように回さずに乾かすやり方は使えます。
判断に迷ったら、タグの四角に丸のマークに×が付いているかどうかだけ見れば足ります。
そして覚えておきたいのは、傷むのは生地であって、疲労回復のはたらきが消えるわけではないということです。
だからこそ、乾燥機を我慢するだけの価値があります。
今日の洗濯からできるのは、脱水が終わったらすぐ取り出して、日陰に吊るすという2つだけです。
急ぐ日はそこにサーキュレーターを1台足せば、夜のうちに乾いてくれます。
あとは洗ってくれる家族にひとこと伝えておけば、もう安心です。
